近畿の白蟻の生態

知らないうちに、大切な住まいをボロボロに食い荒らしてしまう恐ろしい白蟻。
この白蟻の被害が最も多いのは、暗い湿った床下の土台や柱をはじめ、トイレや浴室・キッチンなどの水回りです。

羽のある状態は、婚姻時期に飛翔するためです

兵隊のアリは翅のない状態が成虫です

女王アリのいる巣穴から行動を開始します

土や木片、壁内部に作られるアリの巣

間違いやすいクロアリとシロアリの違い

普段目にする「羽アリ」の中でも「シロアリ」はまったくの別物です。
庭先で羽アリを見つけたとしても「クロアリ」であれば木材を食害しません。
また、「羽を持たない」状態で活動しているところに遭遇することも多く、シロアリの見分け方は「ずん胴」であるかどうかだと言えます。


・大きい羽と小さい羽の4枚
・触角は「く」の字型
・胴は細くくびれている


・同じ大きさの羽が4枚
・触角はほぼまっすぐ
・胴がくびれておらず、ずん胴

シロアリの分布と生態

日本において家屋に被害を与えるシロアリは主に2種類と言われています。
シロアリのうち、近畿圏で分布しているのが「ヤマトシロアリ」です。

日本において最も被害を大きく与えるシロアリは2種類

ヤマトシロアリ

全国的に分布。4月中旬~5月中旬の雨の後の蒸し暑い時期に活動し、特別な巣は作りません。地上から近い湿った木材を好みます。

イエシロアリ

等温線以南(1月平均気温4℃)
神奈川県以西、近畿の南部や四国、九州、沖縄に分布し、特に海岸線に多く生息します。
6月~7月の夕方から夜間に活動し、灯火に集まり群飛します。
被害は湿った木材とは限らず、地上から屋根裏まで及びます。

一年中活動する昆虫「シロアリ」

他の多くの昆虫が冬に休眠するのに対し、シロアリは一年中活動を続けます。ただし、シロアリは熱帯から温帯にかけて生息している昆虫ため、温度の影響を受けます。

シロアリとの代表的な遭遇

庭や門扉にシロアリがいる。

住まいの周辺の木の根や塀の杭などに
シロアリや巣を見つけたら、
すでに住まいも危険な状態。
間もなく、地中の巣から柱を伝い、
壁の内部へと食害は広がります。
土地の中から住まいの基礎コンクリートや
束石に沿って蟻道をつくり、
ひそかに建物内部に侵入するシロアリ。
あらゆる木を根城にするシロアリ対策のために、
新築時に出る残木はもちろん、
床下などの木片は全て
取り除いておかなくてはなりません。

模様替えをしてみると
畳が食べられていた。

住まいの中のシロアリ被害のサインとして、
「和室の模様替えをして家具を移動したら、
家具設置面の畳が食べられていた」、
「水回りのヒビ付近に小さな羽が落ちていた」、
「台所の床の一部がふわふわとする」、
といったものがあります。
これらも床下や構造部から浸食されているサインの
可能性があります。

当てはまったら、
一度調査を依頼すべきです!

☑お風呂の目地からアリが来ている
☑水回りに羽が落ちてる
☑お風呂場のタイルに隙間ができている
☑台所と浴室の境目の敷居がくさり始めた
☑柱などをたたくと、ポコポコと軽い音がする
☑風呂場、台所の窓、敷居等が
水濡れで黒くなり始めた
☑お庭の垣根のくい、庭木の支え木などが
ぶわぶわしている

一軒家のシロアリ被害の様子

築年数の古い住まいの被害を想像しがちですが、築40年程度の一般的な住まいでも、シロアリ被害はもちろん発生します。
お風呂のタイルのひび割れから羽アリが出てきていることに気づき、シロアリかどうかを、「羽が落ちている」ことで確信された住まいでは、調査の結果、お風呂と隣接する和室の被害が確認できました。
婚姻期のシロアリの羽は、少しの衝撃で落ちるため、シロアリ自体を見ていなくても無数に落ちている羽でシロアリの存在を判断できることもあります。

台所下の束柱にシロアリの侵入経路発見

シロアリを発見したお風呂と隣り合わせの和室

シロアリは家具の下になった畳を好みます

毎日見ている部分もいつのまにかシロアリの被害に

雨風にさらされた建具はシロアリの好物

庭先に放置した木片に発生するシロアリ